【外国為替市場概況】ドル、株安背景に対ユーロで上昇
ドルが徐々に世界の準備通貨としての地位を失いつつあるとの懸念が和らぐなか、米財務省が発表した3月の国際資本動向で外国人投資家による米国資産の買い越しが続いていることが示されたこともドルを支えた。
「国際資本動向については、外国人投資家による米国株への投資意欲が回復していることが示さ、強材料となった」とバンク・オブ・ニューヨーク・メロンのシニア通貨ストラテジスト、マイケル・フールフォーク氏は述べた。
ただ、この日は、リスク回避傾向がドルの主な支援材料だった。米4月の消費者物価指数(CPI)が引き続き低水準で推移し、需要が低調なことが示されるなか、原油価格は1バレル=約56ドルまで下落した。また、ダウ工業株30種平均は約60ポイント下げた。
こうした弱気感の中で、ドルはユーロに対して5営業日ぶり高値をつけた。ユーロは一時、1.3462ドルまで下落した。ただ、リスク回避傾向によってド ルは、やはり資金の避難先とされている低金利通貨の円に対しては下落した。ドルは一時、3月以来の安値である95円00銭まで下げた。
15日朝方発表されたニューヨーク連銀5月の製造業景況指数は、同地域の製造業の落ち込みが小幅にとどまったことを示したものとなったため、米国の景気 回復期待がやや改善した。しかし、投資家はCPIが低水準だったことや、これが需要全体について示唆している内容に、より大きく注目した。
一方、リスク許容度の低下を受け、スイスフランはユーロに対して2カ月ぶり高値に上昇したが、その後は通常は見られないような日中取引での反落場面を迎え、ユーロとドルに対して1週間ぶり安値へと沈んだ。
スイス国立銀行(中央銀行)の関係者らは、この日のスイスフランの動向についてコメントを発表していない。同銀は3月、スイスフラン高を抑制するため市 場介入に踏み切っている。ただ、中銀関係者は2カ月前の介入以降、望ましくないスイスフラン高は回避する姿勢の維持を示唆している。
